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このプロジェクトのオーナー
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初めまして、ちぐさ研究室です!
- はじめまして!私たちは西粟倉村で植物や森林に関するイベント、調査、展示などの活動を行っている『ちぐさ研究室』です。普段はともに西粟倉村の地域おこし協力隊として、行政で地方創生事業に関わっている川上と、西粟倉村内の森林管理をしている企業で山林活用に関わっている清水の2人で活動しています。
お互い学生時代は山や森に関する研究をしており、西粟倉村に2021年春に移住してから「フィールドワークが好き」「もっと森林や植物が身近になるような活動をしたい」という思いで意気投合し、毎月あわくら図書館で植物に関する講座を開催したり、情報発信をしたり、独自に調査をしたりといった活動を始めて1年半がたちました。 -
これまでの活動
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森が楽しくて仕方ない!
- 毎月の図書館講座では、多様な切り口で森での楽しみ方を伝えたい!と、植物図鑑の使い方、森林散策、ドングリの実食、種子の油絞り、森に出ての調査、森の中でのカメラの楽しみ方、専門的な座学…など色んな事をやってきました。今までで村内の地元の方、移住者の方、美作市や智頭町など周辺地域の方、小さなお子様連れのご家族からご高齢の方まで、2021年7月から2022年9月30日までの間に延べ105名の方にご参加いただきました。
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- 広葉樹林にて毎木調査(一定面積の樹木の種類、高さや太さを記録する調査)を行ったときの様子です。
スギヒノキが80%以上を占める村の森林の中で、様々な樹種で構成される広葉樹林は貴重な存在です。図鑑と照らし合わせながらどのような広葉樹が生えているのか、どのくらい成長しているのか、毎年経過を観察する調査です。 -
- 冬には、樹木が次の春に出す葉っぱが眠る「冬芽」に注目しながら、スノーシューを履いて雪山を探索しました。「冬芽」はよく見ると、樹種によってその姿形はさまざま。参加者の皆さんで推しの冬芽を探していただきました。
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- どんぐりを実食するイベントも開催。ミズナラ、クヌギ、コナラの3種を集めて、あく抜きしたものとクッキーにしたものを試食してみました。あく抜きしたとはいえ、そのまま食べるとこの顔…どんぐりはそのまま食べると渋みがあります。
- これまでの活動はちぐさ研究室のホームページからご覧いただけますので、ぜひのぞいてみてください!
- それらのイベント以外にも、村内の自然についてもっと詳しくなりたい!との気持ちで独自に情報発信や調査も始めました。Twitterでは毎日22時に、季節ごとの開花・結実や、植物ごとに特有の特徴や豆知識、西粟倉や周辺地域の山の情報・・・など植物や我々の活動について、寝る前にへぇ~となるような情報発信をしております。ぜひちらっとのぞいてみてください◎
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- 調査はまだまだ進められていない部分も多いのですが、「毎木調査(一定面積の樹木の種類、高さや太さを記録する調査)」と「土壌生物の調査」を少しずつ始めています。
毎木調査とは、図鑑と照らし合わせながらどのような広葉樹が生えているのか、どのくらい成長しているのか、毎年経過を観察する調査です。スギヒノキが80%以上を占める村の森林の中で、様々な樹種で構成される広葉樹林は貴重な存在です。標高や環境で生えている木の種類も大きさも違うので、そこにどのような傾向があるのかなどを調べていきます。
土壌生物の調査では、土壌生物の調査では、広葉樹林、人工林など、村内の様々な森林から土壌を採取して、ピンセットで地道に虫をつまんでは標本にしていきます。さらには「ツルグレン装置」という土壌生物を抽出する装置を簡易的に制作し、ピンセットではつまめない微細な生物の把握も行っていく予定です。まだ進められていない部分も多くありますが、今後は本格的な装置を導入して色んな人を巻き込んで継続的に調査を進めていきたいと考えています。 -
プロジェクトの目的
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いつでも訪れることができる、森を知り森を体感する基地を!
- さて、そんな私たちが実現したいこと、それはずばり『森の歴史と動植物の標本を展示する博物館を作りたい!』です。今後人と森がふれる機会をイベント等で作っていくことは継続しながらも、ここに来れば西粟倉村の森のことが分かるよ!という場所を作り、誰もが訪れ見て知ることができる場所を作りたいと考えています。
- 便宜上「博物館」と言っていますが、私たちが目指す場所としては「基地」の方がふさわしいかもしれません。パネルや来年春以降に本格的に収集を始める標本のほかに、虫取りをしたい、一緒に山へ調査に行ってみたい、標本を作ってみたい、展示をしてみたい、など、森に対する好奇心や探求心を私たちと一緒に調べたりチャレンジしたりしながら、バックアップできるような場所にしたいと考えています。
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場所
- 場所は村内の無人駅である『あわくら温泉駅』。ここは森林の素材生産以外の活用を図る目的で、村内の森林を管理している株式会社百森が指定管理を受けている場所で、ちぐさ研究室の目的と合致するということで場所をお借りすることができました。駅に開設することによって、村民はもちろん、村外から来た方にもお気軽にご覧いただくことができます。
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- 内部には、村内や周辺地域の観光に関するポスターや掲示物がある、広い2部屋の待合室があります。今回のプロジェクトではパネルや標本、ジオラマなどを用いてこのエリアに村内の動植物、森林、歴史を展示したいと考えています。
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展示について
- 具体的な展示内容は、
・ 西粟倉村の森林に関する歴史(パネル)
・ 西粟倉村の植生(パネル、標本等)
・ 代表的な動植物の展示(パネル、標本等)
・ 危険な動植物の展示(パネル)
などを検討しています。
季節柄、本格的に収集を始動するのは来春からになりますが、運営していきながら徐々に展示を充実させていきます。 -
①植生に関する展示
- スギ・ヒノキの人工林が村の森林面積の80%以上を占めており、シカ食害の影響も加わって森林植生は十数年前に比べ大きく様変わりしてしまいましたが、村内にはまだ多くの広葉樹林が残っています。また村は面積の小ささに対して標高差が大きく、一番低いところでは300m、一番高いとことでは1200mになります。この標高差が生み出す村内の多様な森林環境を、実物やレプリカを用いて表現・展示したいと考えています。
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②代表的な動物の展示
- 動物として、土壌生物や昆虫標本、またゆくゆくは動物の骨格標本の展示を企画しています。
土壌生物については、土壌生物についてはちぐさ研究室メンバーの川上が学生時代に土壌関係の研究をしていたこともあり、少しずつ採取と調査を進めています。今のところこんな虫が採取出来ています◎これらは顕微鏡で撮影してパネル化して展示したいと考えています。 -
- 現状、村内で昆虫標本が展示されている施設はありません。都会まで行かなくても、村の子ども達に標本に触れてほしい!という思いから、2022年夏に倉敷市立自然史博物館さんの『まちかど博物館』事業にてお借りした昆虫標本を、1カ月間村内で展示する企画を行いました。この企画が村の子どもたちに大好評!
昆虫の採取・標本づくりは、正直なところ2人とも最近始めたところですが、この企画の効果を受け、自分たちでも村の昆虫や虫を記録し、伝えていかなければ!という使命にかられています。
その他危険な動植物の展示なども行う予定です。 -
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- 環境的にも博物館としての設備が整っているような環境ではありませんが、展示だけを目的にした場ではなく、子どもから大人まで、標本の採取や製作、自然の調査ができる拠点にできればと思っています。資金面以外でも、この道具、設備を提供したい、という方がいらっしゃいましたら是非お声がけいただければ幸いです。具体的には顕微鏡など、理科室にありそうなものがあれば嬉しいです。
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資金の使い道
- 今回のクラウドファンディングでいただいた資金は、ちぐさ研究室のあわくら温泉駅での展示にかかる費用に充てさせていただきます。
▼内訳
展示費用:150,000円
リターン:20,000円
手数料:30,000円
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合計 200,000円
もし目標金額を上回るご協力をいただいた場合はストレッチゴールを設定し、展示資料のさらなる充実に充てさせていただきます。※本プロジェクトはAii-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします -
リターン
- 心ばかりのものですが、森で集めた素敵なものをお送りいたします。
お家でのディスプレイや飾りにいかがでしょうか。 -
お礼のメール+活動中の写真
- お手軽に応援されたい方向け。博物館を製作中のちぐさ研究室の写真を添えたお礼のメールをお送りいたします。金額は1000円のコースと5000円のコースがございますが、内容に違いはございません。
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植物標本
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- お家でも気軽に飾れるよう、はがきサイズの台紙に植物標本(基本は葉の部分のみ)をグラシン紙の封筒に入れて郵送にてお送りいたします。日が当たると退色しますが自然の変化をお楽しみください。
コースによって、お礼のメールと活動中の写真もお送りいたします。 -
動物の骨
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- 森で拾った動物の骨を、紙製の標本箱に入れてお送りいたします。主にシカの背骨になります。曲線で構成される美しい造形は、見れば見るほど魅了されます。
コースによって、お礼のメールと活動中の写真もお送りいたします。 -
シカの角
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- インテリアとしても人気のシカの角。同じ形のものは2本となく、横たえているだけで重厚な存在感。郵送にてお送りいたします。
コースによって、お礼のメールと活動中の写真もお送りいたします。 -
スウェーデントーチ
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- ちぐさ研究室メンバー清水が所属している株式会社百森の社有林で伐倒したヒノキからスウェーデントーチを製作しました。1年近く風通しの良いところで乾燥させましたので十分着火します。
たき火をする際の周辺の安全、消火方法等はご自身の責任でお願いいたします。 -
お名前の掲載
- 完成した博物館の入り口付近に、こちらのコースで支援してくださった方のお名前をパネルにて掲示いたします。金額は3000円、10000円、30000円のコースがございます。掲示場所はどちらも同じになります。
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原生林ツアー
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- 西粟倉村が誇る天然林にちぐさ研究室の2人がご案内いたします!開催は5月27日(土)12:30~15:00の予定です。
※1組4名程度を想定しております(それ以上の場合は事前に応相談)。※現地までの交通費、宿泊費等はご負担ください。※どうしても日程が合わない場合は事前にお問い合わせください。 -
土壌調査ワークショップ
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- ちぐさ研究室と一緒に土壌の中の生物を調査する半日のワークショップです。
開催は2023年5月14日(日)9:30~12:30、詳細はお申込いただいたのちメールにてお送りいたしますが、気になる方はお気軽にメールにてお問い合わせください!
山に土壌を採取しに行き、吸虫管という道具やピンセットを使って土壌中の虫を採取、観察します。ご希望の場合は密閉できる試験ビンで見つけた虫をお持ち帰りいただけます。 虫好きのお子さんのいるご家庭、土壌生物の働きに興味のある方、注目です!
※1組4名程度を想定しております(それ以上の場合は事前に応相談)。 ※現地までの交通費、宿泊費等はご負担ください。※どうしても日程が合わない場合は事前にお問い合わせください。 -
毎木調査ワークショップ
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- ちぐさ研究室と一緒に、森にどんな木が生えているのか調査する半日のワークショップです。
広葉樹の森で、図鑑や巻き尺を使って生えている木の種類や大きさを調べて、どんな森なのか調査をします。図鑑の見方からレクチャーしますので、植物を全然知らない方でも大丈夫です◎ 道なき道を歩くのが好きな方おススメ!
開催は2023年5月21日(日)9:30~12:30、詳細はお申込いただいたのちメールにてお送りいたしますが、気になる方はお気軽にメールにてお問い合わせください!
※1組4名程度を想定しております(それ以上の場合は事前に応相談) 。 ※現地までの交通費、宿泊費等はご負担ください。※どうしても日程が合わない場合は事前にお問い合わせください。 -
実施スケジュール
- お互い日中はそれぞれの仕事をしており少しずつの準備になってしまいますが、来年春のオープンを目指しています。また、動植物の成長・活動が活発な来夏にかけて展示資料を順次充実させていく予定です。
▼10月~2月
展示資料準備
順次リターンの送付
▼2月
あわくら会館にて期間限定で展示
▼3月中旬
オープン予定 -
楽しいの裏にある、森林の現実
- さて、私たちがこのような活動をする目的には自分たちが楽しみたい、森林や植物に対する門扉を広げたい、という面はもちろんあるのですが、もっと広い視野でみると、「日本の森林に対する興味関心を持ってもらい、今どのような危機に面しているのかを1人でも多くの人に知ってもらいたい」という目的もあります。他の国と比べても日本は森が豊富にあり、自然が美しい…誰もが聞いたことのある話でしょう。では実際に森にふれて、森がどのような役割を果たしていて、それらを今後も守るためにどのような管理が必要であるか、知っている方はどれだけいるでしょうか。
- 確かにいわゆる「森」といわれる部分は国内面積のうち60%を占めますが、そのうち40%が人工林。木材として使うために人が植えた森です。この森は本来自然にない密度で植えられているので、人が手入れをし、間伐(間引き)をして育てていかなければ健全な森になりません。そのスパン、短くても約60年、通常は100年単位…。しかし、森が成長するまでの間はいくら手入れをしても管理費ばかりかかってしまいお金を得ることができません。その結果、管理が放棄されてしまった森林がたくさん生まれてしまいました。西粟倉村の森も例外ではありません。
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- このような森は、放っておいたらまた元あった自然の森に戻るのでしょうか。答えはNOです。もちろんそうなる場所もありますが、西粟倉村をはじめ多くの森林が『シカ食害』にさらされています。樹木の芽生えが成長するよりシカが食べてしまうスピードの方が速く、森林は次世代の森に更新することができません。西粟倉村の多くの森では下層にはほとんど植物が無く土壌が露出してしまっているか、シカが嫌う数種の植物が一面に広がる非常に貧しい生態系になってしまっています。
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- 森が身近にある人にとってはこれらの問題は生活に地続きです。食糧が無いクマやイノシシ、シカが生活圏に出没し農地を荒らす、土砂災害が頻発する、森林を相続したものの管理をするお金がないうえ税金は生じる… 。しかし、森林はあまりに大きいため小さな市町村単位でこれらの問題を解決することは非常に難しく、森林が身近でない人にも森でこんなことが起きている!と知ってもらい、興味を持ってもらうことがとても大事だと感じています。
- その一方で、西粟倉村は村の面積の約90%が森林で距離的には非常に身近な環境にありますが心理的には実はあまり近い存在ではありません。特に移住者を中心とする若い世代やその子どもたちにとっては、家の裏が誰の山か分からない、子どもだけで山で遊ぶのは危険、といった理由で森にふれたり立ち入ったりする機会はほとんどありません。そんな中私たちは「森を楽しむことをしたい」という気持ちと共に「森にふれる機会が無ければ、興味や関心、ましてやこれは自分事であるという意識を持つことができない」という思いもあり、ちぐさ研究室を立ち上げ、植物に関する企画や展示、情報発信を行ってきました。
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- 本博物館のプロジェクトを通して、村内の方はもちろん周辺地域の方、西粟倉に寄られた方に森林や動植物に関心を持ってもらうとともに、ゆくゆくはちぐさ研究室や西粟倉の森林を目的に西粟倉に来ていただける方を増やしていければ、と考えております。
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最後に
- 私たち自身もまだまだ勉強しながら、模索しながら、試行しながらの取り組みになりますが、来てくださった方の興味を広げ、実験し、一緒に作り上げる場とできるよう精一杯頑張ります!皆様のご支援、どうぞよろしくお願いいたします!
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プロジェクトオーナーのプロフィール
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川上えりか
- 行政の地方創生事業に関わりながらちぐさ研究室を運営。
山歩き、山登り、トレランなど山で過ごせることは何でも好きです。 -
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清水美波
- 森林管理を担う企業で森林の活用に携わりながらちぐさ研究室を運営。
木登り、獣道探索、標本づくりなどが好きです。 -
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